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小規模宅地等の評価減(4)> よくあるケース(二世帯住宅) 2017.4.4

シリーズで、よくあるケースをご紹介してます。パターンがいろいろあるので、「あれっ、この場合はどうだったかな?」と迷うこともあるかもしれません。その辺をクリアにしていただくのがこの記事の目的です。

今回は「二世帯住宅」です。


(1)二世帯住宅の論点
特定居住用宅地等(80%評価減)の対象となる「被相続人が住んでいた敷地」の要件に「同居の子などの親族が取得した場合」というのがあります。
そこで、次のような二世帯住宅において、二階に住んでいる子(生計別)
は一階に住んでいる親と同居していると考えてよいか、という疑問が生じます。

(※)今回は子が親と生計別の場合の話です。生計一の場合は以下の説明と異なる適用関係があります。


(2)同居の判断は「建物の登記」がポイント
二世帯住宅でも同居と判断することが可能です。ただし、建物が区分所有建物登記(各居住部分をそれぞれ別の建物として登記する方法)の場合は非同居となってしまいます。
外見は同じ二世帯住宅でも、非同居と判断され評価減が適用できないケースがあるので注意しましょう。
以下、表にまとめました。


なお、同居と判断されると、一階だけでなく二階に対応する部分も含めた面積が80%評価減(特定居住用宅地等)の対象となります。

また、
二世帯住宅の建物所有者は、親だけ、子だけ、親子、がありえますが、いずれも同居の判断には関係ありませんので、惑わされないようにしてください。


(3)二世帯住宅の応用編 ➡ 一棟のビル
不動産オーナーによくあるケースが、親の自宅・子の自宅(子は親と生計別で、親から無償で借りている)・賃貸部分がある一棟のビルです。ビル全部を親が所有しています。
(※)今回はビル所有者が個人の場合の話です。ビルを不動産管理法人が所有している場合はそもそも特定居住用宅地等の適用はありません。


例えば、下図のビルにおいて、子は親と同居といえるでしょうか。この場合も、前述と同様に、区分所有建物登記でなければ(不動産オーナーの賃貸ビルは区分所有建物登記でないことが一般的です)、子は親と同居していると判断することが可能です。


なお、自己の居住と賃貸が併存するビルの場合、同居と判断されて80%評価減(特定居住用宅地等)の対象となるのは、ビル敷地のうち親居住部分と子居住部分に対応する面積です。
他方、賃貸部分に対応する面積は、一定要件を満たせば50%評価減(貸付事業用宅地等)の対象となります。

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