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未成年者と自社株相続 2023.07.18

●お伝えしたいこと
自社株式(非上場株式)の相続で未成年者の相続人がいる場合、知っておくべきことは次のとおりです。
・遺産分割協議の成立のために
未成年者は協議を行うことができませんので協議成立のためには代理人が必要です。この際に相続人である親権者は代理できません。したがって家庭裁判所で特別代理人を選任することになります。
・代表取締役の選任のために
代表取締役死亡による新代表選任には株式総会の決議が必要(注)ですが、未成年者の株主は議決権を行使をすることができませんので代理人が必要です。この際に相続人である親権者でも代理できます。
(注)新代表選任の株主総会が必要ない会社…代表取締役が被相続人以外にもいる会社、取締役会で新代表を決定できる会社は、株主総会は必要はありません。

●どんな場合に知っておくべきか
自社株式を多く保有する社長(代表取締役)が遺言書を残さず死亡した、相続人は親権者である配偶者と未成年の子である、という場合です。この場合、株式は親子で法定相続分の共同所有(準共有)になります。

遺産分割協議では相続人である親権者は子の代理人になれない
相続発生後、遺産分割協議することになりますが、その際には相続人である親権者は子の代理人になれません。両者は遺産分割協議において利益相反の関係にあるからです。
したがって家庭裁判所で特別代理人を選任します。代理人は候補者の決定(未成年者が複数の場合は代理人もそれと同数必要)、遺産分割案の作成、家庭裁判所の審理、などを経て決定されますがあっという間に1か月以上経ってしまいます。その間株式は親子準共有のままです。

●株主総会では相続人である親権者でも子の代理人になれる
遺産分割協議が終了しなくても、代表取締役の選任は相続発生から2週間以内にしなければなりません。したがって子が株主総会で議決権を行使しなければならない場面がやってきます。しかしその際は相続人である親権者でも子の代理人として議決権行使ができます。相続人である親権者が代理できるのは、代理を誰がしても子の遺産分割による取得財産の多寡に影響しないということが理由です(最高裁昭和52年11月8日判決)。

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