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新型コロナに負けずに従業員も会社も守る~休業手当と雇用調整助成金~ 
2020.04.02(04.07更新)

●お伝えしたいこと
新型コロナウイルス感染症により事業縮小を余儀なくされた場合、従業員と会社の両方を守るために休業手当と雇用調整助成金の活用を検討しましょう。
従業員を守るためには給与を支払い続けること、会社を守るためには資金繰りを悪化させないこと、ですから、そもそも両者は相反する内容です。しかし休業手当と雇用調整助成金によりこれらをある程度両立させることができます。


●休業手当
会社は、事業縮小を余儀なくされたこと等により従業員を一時的に休ませた場合、その従業員に対して休業手当を支払わなければなりません。休業手当は平均賃金の6割以上(平均賃金は月給ではなないので月給×6割で計算した金額よりも少なくなります)と労働基準法で決められています。
(*)政府の緊急事態宣言が出されました。これを原因とする事業縮小により従業員を休業させた場合の休業手当の支払義務の有無については、現在議論されているところですが、支払義務があることを前提に以下説明します。

 

●雇用調整助成金
上記の休業を実施した場合、それに伴う休業手当を補填する目的で国(厚生労働省)が会社に対して負担するお金を雇用調整助成金といいます。助成金ですから返済の必要はありません。

 

●実感していただくための事例

売上が急減したA社 ~社長が朝礼で話したこと~

新型コロナウイルスにより、売上げが激減してしまいました。皆さんに出勤していただいても仕事がない状況です。

もちろん皆さんの雇用は継続します。しかしこの状況が続けば会社は資金繰り悪化により倒産してもおかしくありません。

そこでやむなくしばらくは皆さんに休業をお願いします。休業中の給与はもちろんお支払いします。ただ申し訳ありませんが金額は通常の給与よりも少なくさせていただきます。

皆さんも私も不安ですが、この難局を一丸となって乗り切りましょう!

●事例のA社の場合
A社は、通常の給与から休業手当に切り替えることにより、人件費負担が軽減し、従業員を解雇せず雇用し続けやすくなります。また、申請により休業手当の一定割合の雇用調整助成金を国から受けることができます。

●休業手当に対する助成割合(2020年4月2日現在) 最新情報をご確認ください。
新型コロナウイルス原因の助成割合(中小企業の場合)は以下のとおりです。
・下記以外の場合 … 2/3
・2020.4.1から6.30まで … 4/5(解雇等しない場合は9/10)
なお、休業手当と助成金は計算ベースが異なるため単純に「休業手当×上記の割合=助成金」となるわけではありません。
また、助成金には一定の適用条件(売上減少等)、支給限度額(一人当たり日額8,330円)、支給限度日数(原則年間100日)等の制約があります。詳細は厚生労働省ホームページをご覧ください

●実感していただくためのイラスト
通常の給与から休業手当に切り替えたこと、それに伴い雇用調整助成金を受けたこと、により、A社の人件費負担が下図の(A)から(B)に減少しますので資金繰りがよくなります。


●雇用調整助成金の会計・税務
・会計
雑収入として損益計算書の営業外損益に記載するのが合理的と思います。損益計算書の記載場所は営業外損益か特別損益になりますが(いずれかの明確なルールはありません)、人件費という経常費用を補填する収入は経常利益に反映させるように記載すべきと思います。そうすると営業外損益のほうになります。なお、助成金を雑収入に計上しないで、休業手当の金額から直接減額してはいけません。
・税務
助成金の収入
は益金です。ただし休業手当(損金)と相殺されますので、資金繰り改善効果が無くなることはありません。

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