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役員退職金のよくある間違い 2021.09.15

●間違い① 役員退職金は役員退職金規程がないと支給できない
規程がなくても支給できます。なぜなら役員退職金の支給を決定する権限は株主総会(過半数の決議)にあるからです。役員退職金は株主総会決議がないと支給できない、が正しいです。なお、役員退職金規程があると、株主総会では支給することだけを決めて、支給額や支給方法などの詳細は規程に委ねるという決議の仕方ができます。

●間違い② 役員退職金規程があると税務署に過大退職金認定されない
税務署の過大判断基準の中心は同業他社の支給額に比べて大きすぎないかというものです。したがって規程の有無ではありません。役員退職金規程があると過大認定されない(またはされにくい)という見解もありますが、私の経験上では税務調査官は規程をほとんど気にしていません。

●間違い③ 役員退職金の損金算入時期は株主総会の決議日である
もちろん株主総会の決議日に損金算入してもよいのですが、実際に支給した日に損金算入することもできます。会社がいずれかを選択してよいことになっています。選択する際に届出などの手続きは不要です。

●間違い④ 死亡役員退職金の受取人は遺言書で指定できる
残念ながらできません。上記①のように役員退職金の決定権は株主総会にありますが、その決定権には支給先の決定も含まれます。なお役員退職金規程に死亡退職金の支給先が記載されている場合には株主総会で支給先を規程に委ねる旨の決議をすることはできます。

●間違い⑤ 死亡役員退職金は受取人固有の財産である
間違いでありませんが固有の財産でないこともあります。この論点については多くの裁判例があります。それら裁判例からわかることは以下のとおりです。
まず、次のことを基本とすることが一般的です。
・死亡退職金の受取人が指定されている場合 … 指定された人の固有の財産
・死亡退職金の受取人が指定されていない場合 … 被相続人の本来の財産

そして、上記の基本に個別事情を勘案して固有の財産か否かが決めらています。
なお、相続税法における死亡退職金は受取人固有の財産という建前に基づいて「みなし相続財産」として取り扱っています。

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