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遺留分~三つの場合で異なる話し方~     2022.06.27

●お伝えしたいこと
遺留分は相続財産に対する相続人の最低保障額です。つまりお客様に遺留分のことを話すことは「最低限」のことを話すことなので、その人の状況によっては適当でない場合もあります。会話の中での遺留分の使い方は状況の応じて以下のとおりではないでしょうか。
・ある相続人に十分に渡せないことがはっきりしている場合(せめて遺留分を)
その人にせめて遺留分を渡せるように今から準備しましょう
・ある相続人に何も渡したくないことがはっきりしている場合(念のため遺留分は)
そうであったとしてもその人への遺留分は念のため準備しておきましょう
・相続人たちに何を渡したいかが全く決まっていない場合(まずは遺留分でなく相続分で)
誰に何を渡すかをできれば決めておきましょう。それが無理でも財産を分けやす状態にして  おきましょう。いずれにしても各人の相続分を意識しながら考えましょう。

●ある相続人に十分に渡せないことがはっきりしている場合(せめて遺留分を)
高額な自社株式や大規模な賃貸不動産を後継者に相続させるので、結果としてそれらの財産以外が相対的に少なくなってしまう場合です。それはやむを得ないとしても遺留分相当は渡せるように何とか準備したいものです。

●ある相続人に何も渡したくないことがはっきりしている場合(念のため遺留分は)
ある相続人は、何十年も会っていない、素行不良であるなどの場合です。遺言や贈与ですべての財産の行き先をその相続人以外にすることは可能ですが、もしその相続人から遺留分を請求されたら法律的に応じる義務が生じます(請求されなければその義務は生じません)。したがって念のためその準備はしておきたいもです。

相続人たちに何を渡したいかが全く決まっていない場合(まずは遺留分ではなく相続分で)
この場合は、遺留分ではなく相続分から始めるのが適当です。
何も決まっていないならば、元気なうちに、誰に何を渡すかを決める、それが無理でも財産を分けやすい状態にしておく、の準備が必要です。
その際の出発点が相続分です。もちろん相続分は絶対的なものではありません。しかし財産の分け方はそもそも難しい問題ですから、いきなり結論を出すことはできないでしょう。そこでまずは相続分で分けるとどうなるか、それができないとしたら遺留分未満になる相続人がいないように分けるとどうなるか、という順番で考えるのがいいと思います。

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