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被相続人の未払医療費~二つの税制 2025.09.16
お伝えしたいこと
被相続人の医療費で死亡日において未払のものの税制は以下のとおりです。
・被相続人にかかる相続税の確定申告 … 債務控除できます
・被相続人にかかる所得税の確定申告(準確定申告) … 医療費控除できません
●相続税の債務控除
下記の赤文字のとおり、死亡日(相続開始)時点で未払のものは債務控除できます。
相続税法第13条(債務控除)
・・・課税価格に算入すべき価額は当該財産の価額から次に掲げるもの・・・を控除した金額による。
一 被相続人の債務で相続開始の際現に存するもの(公租公課を含む)
二 被相続人に係る葬式費用
●所得税の医療費控除(準確定申告)
下記の赤文字のとおり、医療費を支払った場合に控除すると規定されています。被相続人はその医療費を支払っていないわけですから、医療費控除できません。
所得税法第73条(医療費控除)
居住者が・・・自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る医療費を支払つた場合において・・・その居住者のその年分の総所得金額・・・から控除する。
●所得税の医療費控除の補足
未払医療費の債務控除は、相続税申告書において、特定の相続人から控除したり各相続人が法定相続分ずつ控除したりします(いずれの場合もその人の控除分はその人が支払う)。そのうち被相続人と同居していた(生計一だった)相続人から控除した分は、その相続人の所得税の確定申告において医療費控除できます。
下記の赤文字のとおり、本人だけでなく本人と生計を一にする親族にかかる医療費も医療費控除の対象です。
所得税法第73条(医療費控除)
居住者が・・・自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る医療費を支払つた場合において・・・その居住者のその年分の総所得金額・・・から控除する。